不妊治療の「タイミング法」とは?効果や費用、自己流タイミングとの違いも解説!

妊活を始めて最初に行うのが「タイミング法」と呼ばれる方法です。現在では、アプリや基礎体温の継続的な記録により排卵日を予測することができるため、不妊治療を始める前に、自己流でタイミング法を行う人も少なくありません。

医療機関で行うタイミング法は、より確実な排卵日を予測することができるため、自己流のタイミング法で妊娠に至らなければ、この方法から不妊治療を開始していくことになります。

この記事では医療機関で行うタイミング法とはどのような内容なのか効果や費用、自己流で行うタイミング法との違いも含めて解説します。

タイミング法とは?

医療機関で行うタイミング法とは、基礎体温や卵胞の大きさ、排卵を促すホルモン(LH)などから排卵日を予測して、医師の指示にしたがって性交のタイミングを合わせる治療法です。

女性では生理周期が安定しており、毎月排卵があり、男性では精液所見に問題がなければタイミング法で自然な妊娠が可能です。不妊治療のための検査を行い、大きな問題がなければ、まずはこのタイミング法から治療をスタートするのが一般的です。

タイミング法で行う具体的な治療

タイミング法の具体的な方法は、生理周期と基礎体温などを参考におおよその排卵日を予測します。排卵予定日より前に、経腟超音波(エコー)を使用して、卵巣内にある卵胞の大きさを測定します。

卵胞とは、卵子が排卵するまでの間に卵子を包んで成熟させるための袋です。卵胞1つに対して1個の卵子が入っており、時間をかけて成長することで排卵に至ります。

この卵胞は、直径が20mm程度になると排卵するため、この大きさからおおよその排卵日を特定します。また、排卵が近くなるとLHと呼ばれる排卵を促すホルモン値が高くなるため、採血や採尿をしてLHが十分に分泌されているかもあわせて確認することもあります。

一般的に排卵が起こる2日前から排卵日までが妊娠しやすいと言われており、この期間に医師の指示にしたがって複数回性交渉を行います。

タイミング法の効果と費用

タイミング法は、排卵日前後にパートナーと性交渉を持つことで妊娠を目指す方法のため、妊娠に至る過程は自然妊娠と同じです。

健康な男女が自己判断で排卵日付近でタイミングを取った場合の妊娠率は10%程度です。タイミング法ではエコーやLH値を見ながら排卵日を予測するため、自然妊娠に比べ妊娠率はそれよりも高くなるでしょう。

女性の年齢にもよりますが、タイミング法を半年程度行っても妊娠に至らない場合は、フーナーテストや子宮鏡検査などを実施して、人工授精にステップアップしましょう。

タイミング法にかかる費用は、通院頻度や検査の内容、薬の使用の有無によって異なります。保険適用の範囲であれば1回の通院で2,000〜3,000円程度です。特に排卵誘発剤は、保険適用外の薬剤もあるため、薬を服用する場合はさらに費用がかかることを理解しておきましょう。

自己流タイミング法との違い

自己流タイミング法とは、アプリや専用の記録用紙を使って毎日の基礎体温を記録したり、排卵検査薬を使用したりすることでおよその排卵日を予測して、排卵日前後に性交渉を行い妊娠を目指す方法です。妊活を始めた人の多くは、この自己流のタイミング法から開始することになります。

自己流タイミング法と医療機関で行うタイミング法の大きな違いは、排卵日をより確実に特定できる点です。自己流タイミング法ではあくまでも過去のデータから予測したり、排卵検査薬の結果を参考にするしかなく、卵胞の大きさを確認することはできません。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の人が排卵検査薬を使用する場合、排卵日を予測するのが難しい場合があるため、一定期間妊娠しない場合は医療機関を受診するとよいでしょう。

タイミング法が合う人と合わない人

タイミング法が合う人は、男女ともに不妊検査で大きな問題が見つからなかったパートナーです。毎月の生理周期が安定しており、毎月排卵がある女性や精液検査に異常がない男性に向いていると言えるでしょう。

反対に、排卵障害がある女性や精液検査の数値が不良、EDのある男性は十分な成果を得られない可能性があります。またフーナーテストでおりものの量が少ない、運動している精子の数が少ない場合も十分な成果を得られないことがあります。こうした場合には、人工授精などへのステップアップを検討しましょう。

タイミング法は、通院回数が少なくて済むため仕事との両立もしやすいです。しかし、排卵誘発剤を服用する場合は副作用により体調を崩す可能性もあります。そのため、医師や看護師と十分に相談して治療方針を決めることが大切です。

まとめ

タイミング法は不妊治療のなかで最も自然な形での妊娠を目指す方法です。通院回数や金銭的な負担は少ないですが、男女ともに検査結果が良好であるなど一定の条件を満たす必要があります。自己流でタイミング法を行っている人は、本記事を参考に医療機関を受診してはいかがでしょうか?

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