不妊治療の「人工授精」とは?治療内容や効果、費用などを解説!

不妊治療のうち、タイミング法では妊娠に至らなかったときに次のステップとして検討されるのが「人工授精」と呼ばれる治療法です。人工授精と聞くと、全ての手順に人の手が加えられているように感じますが、どのような治療が行われているのでしょうか。

本記事では、不妊治療で行われている人工授精の治療内容や効果と費用、シリンジ法との違い、人工授精が合う人・合わない人について解説します。

人工授精(AIH)とは?

人工授精(AIH:Artificial Insemination of Husband)とは、排卵日前後に濃縮洗浄したパートナーの精子を、子宮内に直接注入することで妊娠を目指す方法です。

人工授精と聞くと、妊娠に至るまでの複数の工程で人の手が加えられているように感じるのではないでしょうか。しかし、人工授精はあくまでも良好な精子を子宮内に直接送り込むことだけで、排卵・受精・着床などは自然妊娠と変わりません。

赤ちゃんへの影響もなく、治療による副作用もほとんどないと言われています。タイミング法に比べて精子と卵子が出会う確率が上がる治療法です。

人工授精で行う具体的な治療

人工授精は排卵日前日または当日に以下のようなフローで行われます。

  1. 人工授精当日にパートナーの精子を容器に採取する
  2. 採取した精子を専用の機器を使って洗浄・濃縮して、雑菌や不純物を取り除く
  3. 洗浄・濃縮した精子を専用の細いチューブを使って子宮内に注入する

精液の調整は1時間程度、子宮内に精子を注入する時間はわずか1分程度です。注入する量は0.2〜0.5ml程度です。

人工授精もタイミング法と同じく、基礎体温、おりものの量や粘性、卵胞の大きさ、排卵を促すホルモンのLH値を参考に排卵日を特定します。実際には尿中のLHが十分に分泌していることが確認できた翌日か、排卵誘発剤のhCGを投与した36時間頃までに行います。

人工授精の効果と費用

人工授精の妊娠率は約5〜10%程度です。体外受精のように飛躍的に妊娠率が上がる治療法というわけではありません。しかし、タイミング法を一定期間続けても効果が期待できない場合には、有効な治療法の1つです。

人工授精で妊娠する人の約90%は4〜6回で受精・着床に至ります。厚生労働省の調査では、人工授精を5〜6回が頭打ちとしており、それ以上続けても人工授精で妊娠するのは難しいとしています。

不妊検査ではっきりとした原因が特定できていないにも関わらず妊娠しない場合は、採卵管のピックアップ障害や卵子の質の低下などの可能性も考えられるでしょう。5~6回続けても妊娠しない場合は、次のステップである体外受精や顕微授精に進むことも検討することが大切です。

人工授精は2022年4月より保険適用となりました。現在のところ体外受精や顕微授精のように回数制限はありません。保険適用後の費用は5,460円となっており、決められた範囲で排卵誘発剤や超音波検査、ホルモン検査も保険適用となっています。

人工受精そのものは保険診療になりましたが、医療機関によってその他の薬剤や扱いはさまざまです。治療前には必ず費用等を確認しましょう。

人工授精が合う人と合わない人

人工授精はタイミング法の次のステップとして行われますが、なかには合う人・合わない人がいます。

人工授精が合う人は以下のケースです。

  • 男性側に精子減少症や精子無力症で、精子に障害がある人
  • 性交障害や性交痛がある人
  • 子宮頸管粘液に問題ある人(フーナーテスト不良による精子の進入障害)
  • 精子に問題はないがタイミング療法を6周期以上行っても妊娠が成立しない人

など

反対に、人工授精が合わない人は以下のケースです。

  • 精子に問題はない場合
  • 女性の年齢が高い場合

など

人工授精は精子の子宮内進入をサポートすることが目的となる治療です。そのため、精子が正常な場合には人工授精自体の有効性は低く、体外受精に進んだ方が良い場合もあります。

ただし、あくまでも一例となるため医師と相談して治療方針を決定しましょう。

まとめ

人工授精は、タイミング法の次に検討される不妊治療です。精子の進入障害がある人や精液検査の結果が悪い人に向いている治療で、排卵・受精・着床などは自然妊娠と変わりません。本記事を参考に、人工授精を検討してはいかがでしょうか。

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