卵子の質②~卵子の質を確かめる3つの方法~
動画内容書き起こし
吉村先生:こういったものを調べることもできるのです。検査で、刀禰さんがおっしゃったような検査というのはあります。主に3つあるんですけど、1つはFSHというホルモンを測ること。もう1つは、卵胞という卵を入れておく袋がありますね。この数を超音波で見る、それから、もう1つが今はやりのAMHというのがあります。
刀禰:勉強不足でAMHっていうのがあるんですか?
吉村先生:知らないですか?抗ミュラー管ホルモンというのがあるのです。卵巣の組織の一部である顆粒膜細胞ってあるのですけど、この細胞から出てくるホルモンです。このホルモンの値を測ることによって卵巣の予備能、卵巣の機能がわかるようになってきました。この3つの中で昔はAMHが測れなかったので、FSHというホルモンの値と卵胞の数で卵巣の予備能というのを見ていたのですね、最近では専らAMHというのを測るようになってきています。今は若い大学生なんかにもAMHを測ってもらって卵巣の予備能どのくらいあるのか、調べましょうと推奨してい自治体も出てきています。AMHは知らなかったですか?
刀禰:勉強不足で、、
吉村先生:奥様は多分ご存知だと思いますよ。AMHについてはまだ誤解も少しあるのすが、妊娠できるかどうかを示す指標だと思っている人がいるのですが、そうではなく卵巣にある卵胞の数を示しています。
このホルモン値は、卵を入れておく袋、小さい小卵胞の数に比例すると言われているのです。
ですから、AMHがある程度高ければ小卵胞がある程度存在するということですが、その中の1個の卵子の受精するための能力を表しているわけではないのです。
妊孕性の指標ではありません。だから極端なことを言うと、「AMHが高いからあなたは妊娠できますよ」ということではなくて、「卵胞がたくさんあり、妊娠する可能性はありますよ」ということを示しています。
AMHが低いからもう妊娠できないからといって嘆く人もいるのです。
お医者さんから言われてご説明が十分じゃないと心配する人もいるんですけどそうではなくて、AMHが少ない低いということは、「早く妊娠を急いだ方がいいですよ」
ということを示唆しています。
刀禰:そういうことなのですね。ものすごいよく理解できました。
吉村先生:だから、妊孕性とか卵子の質を表しているわけではなくて、卵子の数を表しています。極端なことを言うと、卵子の質を評価する方法は存在しないということです。それと、もう1つご理解頂きたいのは、妊娠できるように卵子の質を高める方法は存在しないということです。
男性の妊活でも言いましたね。精子を要するに増やす方法は、ほとんどないですよと言ったように、卵子に関しても質を上げて妊娠ができるようにする方法というのは、いろいろな方法が言われていますけれども殆ど無いと考えるべきです。
できるべきしかるべき時期に早く妊娠するということが全てであるということですね。
刀禰:妊娠しやすい身体づくりみたいなのもあったりするのでしょうか?
吉村先生:それもよく言われるのですが、一般的なことでしかないですね。例えば、それは睡眠をとってバランスのとれた食事をしてストレスを避けて運動もして、こういったことは悪いことはないですよ。それが大事なのですけども、それによって卵子の質が向上するということはありません。
男性の場合もそうなのですが、男性の場合もたばこを吸ったり、酒を飲み過ぎたりなどの不摂生はしない方がよいのですが、精子の数を増やすことには直接関係がありません。
ということで、男性も女性も同じということはどういうことかというと、なかなか真の意味での女性の妊活、男性の妊活というのは存在しないということです。
厳しいことですが、しっかりお話をしておくことが大切です。例えば、AMHを測ることも、どういうことが意味があるかというと、AMHが低ければあなたは妊娠できないということを言っているわけではなく、「妊娠するのは急いだほうがいいよ」といったシグナルなのですね。
刀禰:色々な衝撃的な話を先生から教えていただきましたので引き続き、また先生と一緒に学んでいければなというふうに思います。
今日もありがとうございました。