不妊治療にかかる期間の目安はどれぐらい?各治療法ごとに解説!

一定期間妊活をして妊娠できないときに考え始めるのが不妊治療です。不妊治療にはステップがあり、それぞれにおよその治療期間が決まっています。

しかし、想定している期間よりも早く妊娠することもあれば、目安の期間を過ぎても妊娠に至らずステップアップすることもあります。この記事では、各不妊治療にかかる期間の目安を解説します。

不妊治療はどのくらい時間がかかるの?

不妊治療を開始するにあたり、まず行うのが不妊検査と呼ばれるスクリーニング検査です。不妊治療は、医療技術によりただ妊娠の可能性を高めるだけではありません。妊娠しにくい原因を調べることも今後治療を進めるうえで重要な意味を持ちます。

不妊治療はそれぞれにステップアップする目安の期間がありますが、不妊検査の結果によっては、すぐに体外受精や顕微授精をした方が良い場合があります。また、大きな原因がなく女性の年齢が若ければ目安の期間よりも長くタイミング法を続ける場合もあるでしょう。

不妊治療は一概に「これくらいの期間で妊娠する」とは言えません。一般的には治療開始から妊娠までに2〜3年程度かかるとされていますが、個人差が大きいのも事実です。そのため不妊検査を受けて医師や看護師などと十分に話し合って治療方針を決めることが大切です。

不妊検査とは

不妊検査とは、妊娠を妨げている根本的な原因があるかどうかを調べる検査です。検査対象は男性・女性の両方で、双方の原因を調べることで今後の治療に役立てることができます。不妊検査で行うのは以下の検査です。

  • 経腟超音波検査
  • 血液検査
  • AMH検査
  • 子宮卵管造影検査
  • フーナーテスト
  • 精液検査
  • など

女性の検査は月経周期に合わせて行われ、全ての検査を終えるまでに1〜3か月ほどかかります。

男性に行う精液検査は、直近の体調にも左右されるため、複数回行う場合があります。禁欲期間が必要となることもあるため、病院の指示に従い検査を受けましょう。

タイミング法でかかる期間の目安は?

妊活中にもタイミング法と呼ばれる、排卵日に合わせて性交渉を行うことで妊娠を目指す方法があります。医療機関で行うタイミング法も排卵日に合わせて医師の指示で性交渉を行うのは同じです。ただし医療機関では、基礎体温や卵胞の大きさ、排卵を促すホルモン(LH)などから排卵日を予測するためより確実に排卵日を把握することができます。

タイミング法でかかる治療期間の目安は、明らかな不妊症の原因がない人で約6か月です。通常、不妊の原因がないカップルが妊娠する確率は周期あたり20〜25%と言われており、4〜5周期で妊娠する計算になります。そのため6か月を過ぎても妊娠しない場合には、人工授精へのステップアップを検討しましょう。

人工授精でかかる期間の目安は?

人工授精とは、排卵日前後に濃縮洗浄したパートナーの精子を、子宮内に直接注入することで妊娠を目指す方法です。

人工授精の妊娠率は約5〜10%です。そのため1回の治療では妊娠に至らないことも多く、少なくとも3〜4回は人工授精を続けた方が良いでしょう。厚生労働省の調査では、5〜6回続けても妊娠できない場合には、それ以上続けても妊娠は難しいとされています。そのため、一定期間治療をしても妊娠しない場合は次のステップを検討しましょう。

体外受精・顕微授精でかかる期間の目安は?

体外受精とは、成熟した卵子を採卵して体の外に取り出して、精子と共存(媒精)させることで得られた受精卵を、一定期間培養したあとに子宮内に胚移植する治療法です。

顕微授精とは、体外受精では受精卵ができない場合に、運動率の高い精子1つを人工的に卵子の中に注入する治療法です。顕微授精はこれまでにいくつかの方法がありましたが、現在では「細胞質内精子注入法(ICSI)」が顕微授精の方法として確立しています。

体外受精や顕微授精などの生殖補助医療は治療期間の目安はありません。ただし、女性の年齢が上がるにつれて妊娠しても流産やダウン症などの染色体異常のリスクが高くなることが分かっています。また、生殖補助医療はタイミング法や人工授精に比べて金銭的な負担も大きくなります。そのため、医師や看護師といつまで治療を続けるか話し合うことが大切です。

まとめ

不妊治療は治療を始めてすぐに妊娠できることもあれば、治療に2〜3年以上かかることもめずらしくない治療です。目安の治療期間はあるものの、不妊の原因や経済面などでそれぞれ治療法も異なり早めにステップアップしたり、もう少し同じ治療法を続けたりすることもあります。

不妊治療はそれぞれのペースで息抜きをしながら治療を続けることが大切です。本記事を参考に、プランニングしてみてはいかがでしょうか。

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