卵子の凍結保存とは?不妊治療での利用方法と注意点


卵子は採卵して凍結保存することが可能です。卵子の凍結保存について、不妊治療においての利用方法と注意点を中心にご紹介していきます。
卵子は生まれた時から個数が決まっていて年齢を重ねると減っていき、増えることはありません。そのため、未婚女性からも若い年齢での採卵が注目されていて、卵子凍結は将来子供の欲しい女性の選択肢を広げてくれます。

■卵子凍結とは? 基礎知識と凍結の流れ
卵子凍結は、未受精卵凍結とも言われ、精子と受精していない状態の卵子を指します。そのため、未婚であったりパートナーが居ない女性が行うことが多く、若く、より質のいい卵子を未来に残すことができます。パートナーが居る場合には受精卵を凍結した方が妊娠率が高いのでおすすめですが、男性側が海外に居るなど事情がある時には、既婚女性も対象になります。
卵子凍結を行うには、卵子を卵巣から摘出する「採卵」が必要になります。全身麻酔を行う場合もあり、費用についても精子凍結よりも高額になるため、気軽に挑戦しやすいとは言えないのが実情です。

凍結までの流れは、生理がはじまったら医療機関を受診し、採卵までのスケジュールを立てます。一度に多くの卵子を獲得したい場合には、薬や注射を用いてホルモンを調整することも可能です。その後超音波検査により、卵子の育ち具合を見ながら、排卵する前に採卵を行います。病院の方針にもよりますが、無麻酔、部分麻酔、全身麻酔など採卵方法を選択することができます。
受精卵の場合は、採卵の後精子と受精させて凍結という流れになります。

■卵子凍結に必要な検査とその意義
卵子凍結を行うには、体内で卵子が作られて一定の周期で排卵が行われているかを知る必要があります。卵子が作られていないのであれば、毎周期作られていないのか、ホルモン剤などを使い、改善することはできるのかを相談します。
卵子は作られているけれど、排卵していない場合は、採卵を行うので大きな問題はありません。いずれも超音波検査を行うことで確認が可能です。

また、AMH(アンチミューラリアンホルモン)検査を行うことで、体内にある卵子の残数を知ることができます。卵子の質には関係しませんが、採卵時期を悩んでいるのであれば、ひとつの目安になるでしょう。AIRの数値は血液検査で知ることができます。

■卵子凍結を行うタイミングは? 治療計画の立て方
昨今女性も働くことが普通になり、晩婚化が進んでいます。しかし時間は平等で、どんなにアンチエイジングに気を配っても卵子の数は減っていき、妊娠率は下がってしまいます。
まだ結婚は考えられないという女性にも知っておいてほしい情報です。
早くに妊娠してはキャリアが積めない、キャリアを積んでからでは妊娠が難しいといった今多くの女性が抱える悩みについて解決の糸口になってくれるかもしれません。

卵子凍結のタイミングとしては、女性の妊娠率が下がるとされている34歳までに行うことがおすすめです。30代後半になると妊娠率が下がり、流産率が上がります。例えば42歳で採卵し、体外受精を行った場合、妊娠率が20%、流産率は44%にもなりますが、34歳だと妊娠率が40%、流産率が18%です。42歳で34歳の時の卵子を使用することで34歳の妊娠率、流産率が期待できます。

■卵子凍結を選ぶ場合のメリットとデメリット

卵子凍結を行うメリットは、若い卵子を残しておけることで、卵子の老化を考えることなく仕事に打ち込んだり、プライベートを過ごしたりすることができます。結婚していて、パートナーは子供を望んでいないけれど、自分は欲しいと思っているなど意見が合わない場合にもまず採卵だけしておいて話し合いを続けることもできるでしょう。

デメリットとしては卵子の凍結を行うには通院が必要であり、投薬や手術など痛みを伴うこともあります。凍結を続けるには保存にも費用がかかります。妊娠を希望しない、もしくは複数個の卵子を凍結して子供を授かった後には、凍結した卵子を破棄するという選択も必要になります。

また、既婚でありパートナーの精子が採取できる場合には、受精卵として凍結した方が妊娠率が高いとされています。
必ずしも採卵を行わなければ妊娠できないわけではなく、逆に採卵をしても必ず妊娠できるわけでもないので、可能性を残すものとして考えると良いかもしれません。

■まとめ
卵子の凍結、また未受精卵凍結と受精卵凍結の違いについてご理解いただけたでしょうか。女性は年齢によって妊娠率、流産率が異なります。今すぐにではなくても、いつか子供を持ちたいと考えているのであれば、卵子凍結は可能性を残す選択肢です。
年齢に左右されない方法として、独身女性にこそ知ってほしいのが卵子凍結です。パートナーがいない状態での卵子の凍結には、あまり積極的になれないと考える方もいるとは思いますが、将来後悔しないためにまずは医療機関を受診してみてください。

パートナーがいても、海外など離れて暮らしている場合や、子供を持つことについて意見が食い違っているというケースにも役立つ情報ではないでしょうか。

はらメディカルクリニック 卵子凍結とは

生殖医療の必須知識 卵子凍結法 一般社団法人日本生殖医学会編

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