男性の不妊治療の現実②~効率的な妊活法とは?~

動画内容書き起こし

黒田先生:よく『精子の老化』の話も聞かれますけど、一般的には女性の卵子の老化と同じように年齢が上がれば精子も弱ってくるというような理解がされているようですけれども、実際今申し上げた、見た目はよくても中に隠れている、精子の隠れ異常の原因となっているのは、その背景に遺伝子異常があるということが関与しているんですね。
ですから、正直なところ、精子のいわゆる問題というのは、大半の場合は、加齢、年齢が高くなったから精子が悪くなるということではないですね。

刀禰:そうなんですね。

黒田先生:精子の問題は年齢に直結しない、というのが正しい理解なんですね。

刀禰:僕の父今年88歳なんですけど、父が45歳とか46歳の時の子、弟は48歳か49歳の時の子なので、すごく今納得いきました。そういうことなんですね。

黒田先生:おっしゃる通り、そうなんです。

:一般的には精子異常があることを見逃したまま、体外受精などに進んでしまって、いくらやってもできないとかということもよくあるんですか。

黒田先生:そうですね。

:それは勿体無いですよね。

黒田先生:ですから、いろんな施設で やはり体外受精、顕微授精を反復なさって全く成果に繋がらなくて。最初にご紹介させていただいたように、私の書いた精子学の本を読んでくださって精密検査に訪れて詳細に調べると、かなり重篤な隠れ精子異常が多様に認められるというケースの方も多いというのが事実なんですね。

刀禰:むしろ最初に来るべき。

黒田先生:むしろ「最初に精子の細かい精密検査!」というのを是非 積極的に男性陣に立ち上がっていただくことが、先程申し上げましたけど、時間と気力体力とご費用面も含めて「一番効率がいい上手な妊活法」となりますので。見逃されたまま、ちょっと違った方向の治療をたくさんして、苦しい現実を振り返らなくてはならないということに陥らないためにも、精子の意識を上げていただくということをお願いしたいです。

刀禰:ちなみに、先生以外のところだと、どれぐらいのところで先生と同じくらいの検査ができるんですか。

黒田先生:正直なところ、一般に顕微鏡を普通に見て、精子数、運動率を見るという簡単なやり方では精密検査はできませんので。かなり手間もかかりますし、熟練を要する手法なんですね。ちょっと堅い言い方をすれば、分子生物学的な手法をもって高精度に精子の中の異常を見極める検査になるので。なかなか広める努力はしていますけれども、直ぐパッとできる技法ではないので、残念ながら今は、ここでしかできていない、というふうにはなります。
それがありまして全国区からコロナもございましたけど、県外からも海外からも「まず精子の精密検査を!」ということで、患者様が本当にうれしいことですけども たくさんいらしてくださるので、それもあって、こういう完全なプライベートの空間、クリニックにしてあります。

:ありがとうございます。では引き続き『その治療の詳細など』も、次回以降で お伺いしていきたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

黒田先生:よろしくお願いいたします。

刀禰:よろしくお願いいたします。

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