卵子の質①~卵子にまつわる4つの誤解~

動画内容書き起こし

刀禰:今日も吉村先生に色々教えていただければなというふうに思っております。先生よろしくお願いいたします。

吉村先生:よろしくお願いします。

刀禰:ところで先生、女性も卵子についてあんまりよくわかっていないんじゃないかみたいなことも最近耳にしたのですけれど、どういうことなんですか?

吉村先生:まず、学校で卵子についてお勉強してないですよね?

刀禰:してませんね。

吉村先生:だから、こういったことというのは、教育の問題だとも思います。
卵子には、4つの誤解があるのですよ。
まず、卵子というのは若くても歳をとっているのだということですね
要するに、ずっと生まれてから老化の一途をたどっているということです。
すなわち、前も少しお話ししたかもしれませんけど卵巣というのは卵子をつくるところではないという話をしましたね。
つまり生まれてからは1個も卵子をつくっていない、こういったことを聞いたことがありますか?また幹細胞って聞いたことありますか?

刀禰:最近耳にしますね。

吉村先生:精巣には、精子の幹細胞ってあるのですよ。要するに、精子をつくるもとになる細胞ってあるのですよ。
卵巣には、卵子の幹細胞はないと言われています。ということはどういうことかというと、

刀禰:どういうことでしょうか?

吉村先生:卵巣の中で卵子をつくることができないということです。

刀禰:なるほど。

吉村先生:赤ちゃんの、お母さんのお腹にいたころは作る能力はあったのです。
けれども妊娠の5ヶ月ぐらいでその機能はなくなって、一定の数ができると、それからずっと減り続けるということなんですね。
700万個ぐらいできるんですけど、生まれたころになると100万から200万個ぐらいになって、思春期になると20万とか50万になってどんどん減っていくということなのです。
20歳の人って若いですよね。生殖年齢にある女性になっていくわけですけども、20歳の排卵した卵子というのは20年たった細胞だということを言いましたね。
30歳の女性の卵子というのは排卵した卵子は30年たっています。すなわちエイジングといいまして老化が起こっている、卵子というのは常に老化が起こっているということなのですよ。
これがまず1つ知らないことです。
それから、もう1つが卵巣における卵子が要するに年齢とともに減ってくる
ということが2つ目の誤解ですね。
要するに、卵子は作られないので若くても卵子はどんどん減り続けているということが2つ目の誤解です。
それからもう1つの誤解は、一つ一つの卵子が年齢を経ることによって妊娠する能力が低下するということです。20代30代で排卵した卵子というのは妊娠する能力は高いのです。妊娠する能力というのは受精する能力と言ってもいいんですけど、30歳から40歳前後になってくるとどんどん妊孕性が低下してくる、妊娠する能力が低下してきます。

これが3つ目の誤解です。
それから、もう1つがですね卵子の数や卵子の受精するための能力というのは、人によってものすごい個人差があるということです。

刀禰:ものすごい個人差がある?

吉村先生:年齢によっても卵子の数は下がってくるんですけれども、この下がり方とか卵子の1つの持っているクオリティに個人差がものすごくあるということです。例えばある人は30歳前後で閉経してしまう人もいますし、20歳でも起こりえます。
40歳以前で閉経するというのは早発閉経と言うのですけれども、要するに閉経の時期は人によってものすごく個人差があるということです。
この4つが、卵子に対する誤解なのですよ。
これを女性自身が若いうちから知っておくということがとても大事なことです。
そうすれば、もし子どもを産みたいと女性がそう思いになるならば、やはり早く妊娠するということはとても大事だということです。こうした卵子の知識を持っていれば、成熟年齢のときに早く子どもをつくるということがわかるわけですよね。
でも、そういう知識を教えられていません。こうした4つの誤解をよく理解しておくということは大事ですね。

刀禰:僕は男性ですけれど女性が自分自身のそういうリスクというか、そういうことについて知るには、やはり、レディースクリニックとか病院に行ってわかるものなのですかね?

吉村先生:病院に行って分かるのでは、少し遅いですね。

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