精液検査は何を検査するの?精液検査の詳細

精液検査をご存じですか?精液検査は、女性が不妊についての検査を行うのと同じように、男性が早急に受けるべき検査です。しかし、精液検査とは具体的に何を行うのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
精液検査の結果が悪かったら自信を無くしてしまうかもしれない…そんな理由で検査がなかなか受けられない男性もいる事と思います。
検査はそのように行うのか、痛みを伴うことはないのか、精液はどこで採取するのか、周りの友人に気軽に聞きにくいことですが、疑問は少しでも解消して妊活に挑みましょう。

精液検査を行う理由

精液検査を行う理由は、自身の精液の中に健康な精子がどのくらい存在しているかを知るためです。健康な精子とは、運動率、前進運動率、正常形態率が基準に達した精子が、精液の中にどのくらい存在しているかで判断するものです。
WHOが定めた基準値を満たしていれば、自然妊娠ができるという判断が下されます。もちろん、この基準値を下回っていても妊娠をすることは充分に可能です。

精液検査の料金やかかる時間

精液検査は、一般的な婦人科や泌尿器科で受けることができます。費用は病院によって変わりますが5,000円かからないことが多く、特別高額な検査ではありません。精液検査の制度はほぼ100%ですが、体調によって結果が左右されやすいので、場合によっては数回検査を受ける必要があるでしょう。
精液を提出してからかかる時間については、早ければ数分、成分の調整がある場合でも2時間程度で結果がわかるので、当日中には検査結果を知ることができます。

  • 病院内で採精
    精液はマスターベーションによって専用容器の中に採取しますが、病院内か自宅での採精が可能です。病院内で採精する場合、多くは専用のメンズルームがあります。
    病院内なので、運搬を気にすることなく新鮮な状態で提出できることはメリットですが、病院まで足を運ばなければならないこと、また男性によってはメンズルームは落ち着かない、集中できないと感じる場合もあるかもしれません。メンズルームがない場合にはトイレでの採精を指示されることもありますが、清潔が保たれれば場所はどこでも問題ありません。
  • 自宅で採精
    自宅で採取した精子を病院に持ち込むという方法もあります。多くの場合は採精から2時間以内に病院内に持ち込むことが推奨されていて、あまりゆらさず常温で持ちはこぶことが必要です。特に温めたり冷やしたりする必要はありませんが、冬場などはタオルに包むなどして冷えすぎないようにした方が良いでしょう。
  • 治療のための採精
    人工授精や体外受精など不妊治療中に精子が必要になることもあります。受精には必ず精子が必要になります。精子の凍結や受精卵の凍結がある場合を除いて、不妊治療には採精がセットになっていると考えてください。いつでも質の良い精子が採取できるように生活習慣には気を配りましょう。

精液検査の調査項目

精液検査の調査項目は以下の通りです。
こちらの基準を満たしていれば、性行為での自然妊娠が可能です。
数回検査を行っても基準値を下回っていた場合には、人工授精は体外受精を実施して妊娠を目指します。
数値が思わしくなくても、精液の中に健康な精子が1匹でも存在すれば、顕微授精を行って妊娠を望むことができます。

検査項目 下限基準値
精液量 1.5ml以上
精子濃度 1500万/ml以上
総精子数 3900万/射精以上
前進運動率 32%以上
総運動率 40%以上
正常精子形態率(厳密な検査法で) 4%以上
白血球数 100万/ml未満

(WHOラボマニュアル-ヒト精液検査と手技-5版より)

精液にこんな症状が現れたら

精液検査は、妊娠を希望する場合のみ受けられる検査ではありません。精液が水っぽい、色がおかしいなど自身で違和感がある時も検査がおすすめです。
精子は生活習慣で運動率や精子数などを改善することが充分に可能です。検査結果が基準値を下回る場合にも、早めに数値を知ることで、対策を行うことができます。

まとめ

精液検査について、疑問が解消されたでしょうか?精液検査は、不妊治療が進んでから受ける方もいますが、妊活を検討した時点で、女性が検査を受けるのと同じタイミングで受けるべき検査です。不妊は女性の問題と考えられていた時代もありましたが、現在、原因は男女共にあることがわかっています。手軽に自宅で検査ができるキットもありますので、ためらわずに精液検査を受けてください。
また、精液検査の結果が良くなくても、生活習慣を見直すことで質を改善することが充分にできますし、精液の中に1匹でも健康な精子がみつかれば赤ちゃんを望むことができます。
落ち込むことなく次のステップを考えましょう。

生殖医療の必修知識2020,日本生殖医学会編

日本生殖医学会
http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa07.html#:~:text=%EF%BC%881%EF%BC%89%E7%B2%BE%E6%B6%B2%E6%A4%9C%E6%9F%BB%20%E7%B2%BE%E6%B6%B2%E9%87%8F,%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%82%92%E6%A4%9C%E8%A8%8E%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
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https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/sperm-test-pickup/#%E7%B2%BE%E5%AD%90%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E3%82%AD%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%93%E3%81%A7%E8%B2%B7%E3%81%88%E3%82%8B%EF%BC%9F

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