造精機能障害の基礎②~精子の質の上げ方~

動画内容書き起こし

:精子の機能障害には生活習慣もサプリもあまり効かない、そうすると治療法というか、あるのですか。

黒田先生:そうですね、やはり造精機能障害の今申し上げた3つのパターンの最後の3つ目のケースは、やはり先天異常ですから、なかなか根本的な治療法はございませんので、治療は難航するというのが正直なところですね。

:1つ目の後天的な要因であるとか、

黒田先生:2つ目のわずかに正常な精子をつくるラインが残っている場合というのが・・・
1つ目のケースに関しては、原因因子を除くことによって精子の状態が改善する場合もありますし、精索静脈瘤などの泌尿器科的な疾患があれば外科的な手術によって少しは精子の状態を改善するということも期待できますね。
2つ目のケースは、製造ラインとして正常な精子を作るラインが少しでも残っていれば、自然に妊娠をするということは正常な精子の絶対数の確保から難しいかもしれませんが、不妊治療という、要は生殖補助医療の技術をうまく導入することによって安全な生命の導きに近づくことが可能になる場合もあります。

刀禰:精子も、先生がおっしゃっている先天的な異常はおいて、後天的なものでしたり、ちょっとした血流の問題のところを直せば、100あったら100分の100が別に遺伝子上悪いという話ではなくて、濃淡があって悪いのが多くなってしまっていて、なかなかしっかりした受精卵ができないとか、というところに対して遺伝子学的に良い精子を選んで受精卵を作るということをすれば必ずしも絶望する話ではなくてという話ですね。

:この人は精子異常だ。この人は精子異常じゃないとかという話ではなくて、どなたにも異常のある精子の割合というのは一定数あって、それが異常な精子の割合がとても高い人もいるとかということなんですね。

黒田先生:そうですね。ヒトの精子形成過程は たくさんの遺伝子が複雑に関わりますので、実験動物のような大変シンプルな形で雄のその精子形成がなされているわけではないですから、健康な精子を十分つくれる方であっても、おっしゃるように一部というのは どうしても、いわゆる品質として問題がある精子というのが混ざってきてしまうんですね。
ですけれども、男性不妊として治療の土俵に乗ってご苦労してしまう方というのは、異常率が大変高いというのと、いろいろな精子異常のパターンが、つまり いろいろな種類が いろいろ発現してきてしまうので、精子異常の種類と程度の異常率が高く、いろいろなパターンが複雑に関わっているということになっておられる。
ですから、おっしゃられたように、その中でいい精子を選んでいくことによって、遺伝子異常が関与しているにしても、いい精子を選ぶ努力をすることによって、明るい展望になるという現実もあります。

けれどもやはり、遺伝子というのは全部1個体からつくられる細胞には1個体の同一個体の遺伝子管理であるというところがありますので、そこの部分は、私達ドクターは慎重に念頭に置いて、しっかりいい精子を分離精製する努力は怠らず極めるわけです。
しかし、ベースにはそういう遺伝子異常の素質が高いタイプの方なのかな低い方なのかなっていうのは、やはり前提条件をしっかり抑えて1個人に見合った形での適正化効率化をもって手技の提供を取捨選択していくということですよね。

:先生、最後に妊活中の旦那さんはお酒飲んでいいですか。

黒田先生:そうですね。すごく浴びるほど飲むのはね、健康上ダメですね。
だけど、ストレス解消というのかな。私は、アルコールの分解する力が高い男性であれば、毎日多少の晩酌くらいは・・・というふうに思っていますね。何もかもダメダメダメって言ってストレスを感じるよりは、少しぐらいはストレス解消で、お風呂上がりのビール一杯ぐらいはというのは・・・

刀禰:それぐらいの話ですね。脂肪肝に、アルコールで脂肪肝になるまでは飲んではいけない。僕なんですけど。

:旦那さん達、朗報でございます。少量なら大丈夫だという先生のお考えでございました。
先生のオーダーメイド治療があるというのもお伺いしていますので、次回教えていただきたいと思います。先生ありがとうございました。

黒田先生:ありがとうございました。

刀禰:ありがとうございました。

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