不妊治療のいろは~人工授精~
動画内容書き起こし
吉村先生:今は大体2、3周期やったら、次の人工授精というステップに入ります。
人工授精は、精液を朝とってきていただいて精液をまず洗浄します。培養液で洗って精子だけの浮遊液を作ります。こうした精子浮遊液を子宮腔内に入れてあげる操作です。人工授精は卵子に到達するための精子を多くしてあげるために子宮腔内に入れるわけですね。
例えば、腟内に1億射精されても一部のものが子宮腔内に入ってそして数百から数千の精子が卵管の中に入ります。精子の数が少ない人でも、卵管に精子が多く到達するようにしてあげるというのが人工授精です。
人工授精もですね、昔は半年とか1年やることもあったんです。でも現在ではやはり早く妊娠したいという方も多くなり、高齢の女性が不妊治療のクリニックに訪れることも多くなったので、3、4回したら次の体外受精に進むカップルがほとんどです。
この人工授精というのは、人工という言葉が使われているんですけど、これは別に人工的なことをやっているわけでもなくて、人工的に子宮腔内に入れているだけであって、体外受精と異なり、人工授精は体内で受精が起こるということです。
通常のタイミング法で妊娠した場合と体内受精という観点からは全く違ってないですね。この人工授精の場合には授精の授には、手偏が入っていますよね。手偏が入っているということは人が手を使ってやってるということを示しています。体外受精の場合は手偏が入っていないでしょう?
これは受精現象のことを言っていますから手偏が入っていません。精子が卵の中に入っていくこれの過程を受精というわけですね。そのことを体外受精といっているから体外受精は手偏がないんです。
後からお話します顕微授精ってあるでしょ、顕微授精は手偏が入っていますね。顕微授精も手偏が入っているのは人工的に精子一個を卵子の中に入れているということで手偏が入っています。
だから体外受精も顕微授精も、卵子が外に出て体外で受精させているけれども手偏が入ったものと手偏が入っていないものがあります。こういうことをあまり知っている人はいないかもしれません。
刀禰:あんまり気にしたことがなかったです。
吉村先生:体内受精なのに自然の妊娠と変わっていないのに人工授精も手偏が入ってるんですね。
卵子が外に出るのが体外受精で、卵子が体外に出ない従来の方法、自然妊娠と同じ方法が人工授精ということなんですよ。