卵子老化の予防①~老化の要因を解説!~

動画内容書き起こし

:皆さん、こんにちは。
引き続き慶應病院の浜谷先生に、お話を伺っていきたいと思います。
先生お願いいたします。

浜谷先生:よろしくお願いします。

:先生、そもそも30代後半くらいでもまだまだ子どもを作れると思っていたのですが
そうでもないのかなみたいなお話とか聞くのですけれどもその辺ってどうなのでしょうか?

浜谷先生:35歳までは、妊娠率というのは若い方と比べてそんなに差がないのですけれども体外受精の成功率も35歳を超えてくるとかなり急カーブで落ちていくのですね。
それとともに流産率とかも上がってくるので35歳、30代後半になるとやっぱり難しくなっていくというのは事実ですね。

刀禰:どれくらい落ちるのですか?

浜谷先生:そうですね、体外受精の成功率でいいますといい卵がとれた人をいい卵なのですが、それを子宮の中に戻しても35歳までは、40%とか35%とかかなりいい確率で妊娠してくれるのです。
だけど35歳を超えてくるととてもいい卵に見えるのですが、だけど、それを戻してもなかなか妊娠してこなくなって、40歳を超えると、やっぱりその確率が15%、10%、5%
本当に43歳の時には、10%を切っているような感じになります。
形態的にいいものに見えてもそれだけ中身がやっぱり年齢の影響を受けるというのが事実なのでいい胚がとれない。
いい卵がとれない人もたくさん出てきますし数も、質も今話したように下がるのですけど
体外受精して見るととれる卵の数も、年齢とともに減っていくのです。だから、ダブルで年齢の影響が出てくるので、難しくなっていくのです。

:すごく食生活とか気をつかって若々しい人でも、だめなのですね?

浜谷先生:そうなのです。サプリメントもある程度効果があるのかもしれません。
ただ、医学的ないわゆる論文とか報告では本当に有効なものというのは、なかなかなくてですね、もちろん、そういうものがあると薬にできますよねだから、薬になれないのです。
サプリメントですから、皆さんに合った良いものがある訳ではありません。
ただ、飲んでみたらその人には合うかもしれないというような報告はたくさんありまして、試してみる価値はあるのかなと思います。
ずっと昔からDHEAとか、デヒドロエピアンドロステロンというようなものが売られていたりなど。あとは、コエンザムQ10とか最近ですとレスベラトロールとか、ピロロキノリンキノン、メラトニンこういったところがすごく最近よく出てきています。
実際、特にメラトニンとかピロロキノリンキノン、PQQというようなものは、効果が論文でも、出てきたりしていますので期待しているところです。そういったものも結局はアンチエイジングですから抗老化作用を期待しているわけで皆さん考えてもらったら老化しないような、若返りの薬なんてあるわけないと思われると
思うのですけど、卵子にとってもやっぱり同じようにそういう、誰にでも効くような若返り薬はあるわけではないので、そんなものが効果があったとしても一時的な採卵の短期間に向けてその時に状態を良くしてくれるようなそういうものでしかないという
可能性が高いと思います。

刀禰:サプリは酸化を抑えるみたいな形になるのですかね?

浜谷先生:そうですねやっぱり老化自体が酸化ストレスと言われているとおり卵はずっと分裂しないのですけど、卵の状態でずっと蓄えられているのですけど、その中でも酸化ストレスを受けていますので同じように、体細胞と同じようにやっぱり、幾分は老化するというふうに思われます。
ただ、細胞分裂を何回も繰り返すとテロメアって聞いたことがあると思うのですね。テロメアはDNAの端っこがちぎれて短くなっていって、細胞が死んでしまうのですけども
卵はやっぱり分裂しないので、そういったテロメアへの影響というのも少ないと言われていてもしかしたら老化しにくいように工夫されているメカニズムも持っているのかもしれないのですが、それでもテロメアが短くなることが最近、報告されています。

:サプリとかをとってもやっぱり年齢には勝てないということですね。

浜谷先生:そうですねただ、卵の質を上げることはなかなか難しいので少しでもという思いで皆さんやってらっしゃるのが現状で僕たちも少しでも良くなって1個でも良い卵が取れたらそれで妊娠されれば目的達成されるわけですから、そういう気持ちでよかれと思うものをつい勧めてしまう、それが本当にお節介だったりもするかもしれないし、過剰医療という部分も出てくるのかもしれませんが、患者さんと同じ気持ちでやろうとすると、そういう風になってしまうのが実情です。

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