非配偶者間人工授精(AID)~海外との比較~

動画内容書き起こし

:皆さんこんにちは、引き続き慶應病院の浜谷先生にお話を伺っていきます浜谷先生よろしくお願いいたします。

刀禰:よろしくお願いします

:先生、前回まで卵子、精子それぞれの原因とか対処法をいろいろ教えていただいたんですけれども不妊治療については私ざっくりしたイメージで、海外の方がいろいろ許されていることが多いイメージがあるんですけれどもその辺を教えていただけますか。

浜谷先生:そうですね、先ほど保険診療で何ができるかという話をしましたが、そちらと絡むと思います。保険が認められなくて自費で実施できる検査がその一例です。
先ほどの着床前診断というのは遺伝子検査の範疇に入りますが、そもそも全く許されていないというかシステムがないというところもありますので、その辺がやはり提供配偶子を用いた生殖医療ということになろうかと思います。
提供配偶子というのはもうちょっと言い方を変えると第三者の配偶子精子バンクということです。
第三者の精子とか卵子とかを用いて子どもをつくれるということです。
やはり年齢とともに妊娠しにくくなります。いくら頑張っても、妊娠できない方というのもたくさん実はいらっしゃって最終的に諦めて、人生夫婦お二人で頑張るといった決断をされて、治療をやめていかれる方も実は少なくはありません。
3分の1とか、それぐらいの数いらっしゃるのではないでしょうか。

刀禰:3分の1ですか

浜谷先生:もしかしたらもっと多いのかもしれません。
日本は晩婚化が進んでいるので、結婚がおくれていますから知識のある方でも結婚されてすぐ治療されたとしても、それから38歳でそれから頑張って4年頑張ったけど妊娠されない場合はもっと追い込まれてしまいます。
そういった状況になるとやっぱりなかなかその先も可能性が少なくなってしまいます。
そういった方が少なくはないというのが現状です。
海外ですと、やはり40歳を超えてくる段階で、養子特別養子縁組ですとか他の方の卵を貰うなどのお話になっていきます。
もちろん、精子がとれない人、精液は出るけど、精子がとれない人、中に泳いでいない人というのはたくさんいらっしゃいます。
精巣の手術をして精子をとってくるというMicro-TESEという方法をとってもできない人がそれにあたります。
そうなると子どもができないので、第三者から提供してもらった精子を使って、奥様の卵とともに顕微授精をして体外受精をして胚移植をして妊娠するということが海外では行われているわけです。
それが日本ではドナーバンクがないんです。
そこが大きな問題になっています。
実は、海外から見てドナーバンクが全くないので日本は特殊です。
世界で1番大きなドナーバンクはデンマークにあるんですけれども。

刀禰:デンマークなんですね

浜谷先生:デンマークの精子バンクが日本に窓口を設けて、その相談に乗ることをはじめられている動きがあるのは事実です。
一方で日本では精子がもらえないので、コロナの前は台湾にたくさん行かれていました。台湾に行って精子をもらって体外受精も台湾でしてもらってくるようなことも行われていますし、ちょっとここで言うのは憚られますけれども個人のドナーバンクというのもWEBで立ち上げています。
そこで、そういったWEBにアクセスして見も知らない人から、個人の人から精子を、駅のトイレで待ち合わせして提供してもらうようなことまで行われているような現状が起こっています。
なので提供配偶子を用いた生殖医療ができるような、ドナーバンクのシステムをつくるというところが非常に大事になってくるのです。

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