不妊治療の方法や種類は?それぞれの特徴と選び方を解説!

不妊治療と聞くと、「仕事との両立が大変」「金銭的な負担が大きい」「通院回数が多く、体の負担も大きい」などのイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし不妊治療はいくつか方法があり、それぞれにあった治療法を選択して段階を踏んで治療を行います。

この記事では、不妊治療にはどのような治療法の種類があるのか、自分に合った治療法の選び方を紹介します。

不妊症の治療方法とそれぞれの特徴

妊活を始めて一定期間妊娠しない場合は、不妊治療を行っている医療機関を受診して検査を受けたうえで、原因に応じて自分に合った治療法からスタートします。

主な治療法は、タイミング法、排卵誘発法、人工授精、体外受精・顕微授精などの生殖補助医療です。タイミング法は、不妊症となる大きな原因が見つかっておらす、より自然に近い妊娠を望む人に用いられます。このタイミング法を一定期間行っても妊娠に至らない場合は、人工授精や体外受精、顕微授精などの治療法にステップアップするのが一般的です。

それぞれの治療法について詳しく見ていきましょう。

排卵誘発法とは?

排卵誘発法とは、内服薬や注射を使用して、排卵を起こさせる方法です。排卵のない人や排卵が起こりにくい排卵障害の人だけでなく、生殖補助医療の際に卵胞を複数個育てる目的で行われます。

排卵誘発剤を使用することで、子宮頸管粘液が増加したり子宮内膜が暑くなったりしやすいため、妊娠しやすい環境を整えることも可能です。しかし、複数個の卵が育つ可能性があり、双子などの多胎妊娠の確率が上昇することがあります。

人工授精(AIH)とは?

人工授精とは、排卵日前後に濃縮洗浄した精子を子宮内に直接送りこむことで、妊娠を目指す方法です。タイミング法で妊娠しない場合の次の治療法として検討されます。

適応は男性不妊症の人やフーナーテストで良好な結果を得られなかった人などです。子宮内への精子の注入の際の痛みはほとんどなく、所要時間は1分程度ですぐに終わります。

受精から妊娠までのプロセスは自然妊娠と同じですが、採精した精液から運動している精子を洗浄して体内に戻すのが特徴です。

生殖補助医療(ART)とは?

生殖補助医療は、近年進歩した新しい不妊治療の方法です。代表的な治療法には体外受精や顕微授精があります。

これまで、生殖補助医療は自費診療となっており金銭的な負担が大きいというデメリットがありました。しかし、2022年4月より一部保険診療となったことで、より多くの人が治療を受けやすくなっています。

ここでは体外受精と顕微授精のそれぞれの治療法を紹介します。

体外受精(IVF)

体外受精とは、採卵・採精によって得た卵子と精子を使って、体外でふりかけ式により受精させて培養することでできた受精卵を子宮に戻す治療法です。

現在では卵管障害以外にも乏精子症や精子無力症などの男性不妊の治療としても実施されています。

顕微授精(ICSI)

顕微授精とは、採卵・採精によって得た卵子と精子を使って、卵子の中に良好な1つの精子を注入して受精させる方法です。体外受精のように、卵子と精子が自然に受精できない場合に行われています。

不妊症の検査でタイミング法や人工授精では十分な結果が得られないと判断された場合は、これらの治療法を行わず、すぐに顕微授精にステップアップすることもあります。

その他の不妊治療の方法

不妊治療では、タイミング法や排卵誘発法、人工授精、生殖補助医療のほかにも内視鏡を使った治療や検査を行うこともあります。内視鏡では、エコーでは分かりにくい子宮の様子を観察することができるため、卵管周辺の癒着や子宮内膜症、子宮内膜炎などの炎症を発見することができます。

また、ポリープや子宮筋腫があれば内視鏡を使って切除する治療も行えます。卵管が閉塞している場合は、閉塞箇所にチューブを通して開通させて、一定期間、自然妊娠の可能性を高めることも可能です。

あなたに合った不妊治療の選び方

自己流のタイミング法で一定期間妊娠しない場合は、不妊治療を行っている医療機関で不妊検査を受けることがまず第一のステップです。検査を受ける際は、ご自身だけでなくパートナーも一緒に受けることで、双方の問題点を把握することができ、どの治療から始めるか決定しやすくなるでしょう。

不妊治療は、いつ結果が出るか分からない治療法でもあります。そのため、毎回の結果に一喜一憂したり仕事の両立、金銭的な問題など悩みを抱えやすい治療でもあります。

まずは医師や看護師、培養士などと治療法について相談し、無理なく治療を進めることが大切です。一部の治療や検査は保険診療となっているため、ご自分に合った治療法を選択しましょう。

まとめ

不妊治療はより自然な方法であるタイミング法から、医療技術を使った体外受精や顕微授精など、さまざまな種類があります。まずは専門の医療機関で検査を受けて自分に合う治療法を選びましょう。また、今月はタイミング法、来月は人工授精、再来月はタイミング法に戻すという選択もあります。

不妊治療はゴールが明確ではないため、医師や看護師と相談して無理なく続けることが大切です。

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