妊娠に必要な条件~妊娠までのメカニズムを知る~

動画内容書き起こし

刀禰:今日も吉村先生に色々教えていただければなと思います。先生、今日はどういったことをお話しいただけますか?

吉村先生:どうやって妊娠が成立できるか簡単に妊娠って成立すると思っている人が結構いますけれども。

刀禰:経験者からすると 難しいのはよく理解しています。

吉村先生:難しいと理解している人とすぐに妊娠できると思っている人がいますよね?
妊娠成立するというのは本当に奇跡的だと言ってもいいくらい大変なことだということの理解も必要だと思うんですよね。

刀禰:僕もそう思います。

吉村先生:まず、いつでも性生活をすると、精子というのは子宮の中に上がるかといったら大きな間違いです。

刀禰:それをそもそも知らなかったですね。

吉村先生:腟内というのは普通は酸性になっているのですよ

刀禰:酸性なんですね

吉村先生:まず、その前にちょっとお話ししていきたいのですけど、おなかの中と体外、女性の場合つながっているのです。

刀禰:つながっているってどういうことですか?

吉村先生:要するに空気を腟からいれればおなかの中に空気が入るんです。男性は絶対そういうことはないです

刀禰:ないですね。

吉村先生:けれども、女性の場合は空気を腟の方からいれてあげればおなかの中でブクブクというのですよ。
通ってるからです、だから通っているということはばい菌も入りやすいわけですよ。
外来性の菌が入らないようにするために腟内って酸性になっているのです。
これが腟の自浄作用といってばい菌が中に入らないようにしています。

刀禰:なるほど。

吉村先生:それは身体にとってとても大事なことなのですけど、妊娠にとってはよくありません。
酸性の状態で腟内に精子が出されても精子はすぐ死んでしまいます。だから、限られた時期に性生活をしないと精子って子宮の中に上がっていけないのです。
排卵の前になると、女性はいつも感じるのですけれども、水っぽいおりものが出るようになったというふうに言う人います。これは頸管粘液というのが出て、
pHが7とか7.2くらいなのですよ。その中を精子はスーッと上がっていけるわけです。
まず精子が子宮の中に入れないといった第一の関門があります。そして子宮の中に入った精子が、やはり運動性がよくないと卵管にいけません。
そして、卵管にいって排卵がすぐ起こってくればいいけど、すぐ起こらない場合だってあるわけですよね。
性生活をしても、妊娠ができないような状況というのはいくらでもあるわけですよ。
そのために精子というのは卵管の中で大体3日程度とどまっているわけです。

刀禰:結構とどまれるんですね

吉村先生:大体2~3日ぐらいは、子宮の中や卵管の中では生きられるという風に言われているんですね。
そこで静かに排卵が起こるのを待つわけですよ。卵を入れておく袋、卵胞がどんどん大きくなって排卵が起こります。
おそらくヒトの場合は卵巣から出た卵というのは1回おなかの中に出ると言われています。
そして出た卵は卵管采というところからピックアップされます。卵子は卵管の中で精子が来るのを待っています。精子が排卵したなということをキャッチして卵子の周りに集まってくるわけですね。
排卵した卵子に、数百個精子が付くと言われています。
だから元気に卵管まで行く力がないと、当然のことながら受精という現象は起こりません。
卵子の周りに精子が集まって、その中の一番の精子が卵子の中に入っていくわけですね。
そして、卵管の膨大部で受精というのが起こって、分裂を繰り返しながら、大体6日目から7日目ぐらいに戻ってきます。
そのときに受精卵はできても、子宮内膜がちゃんと増殖期から分泌期という時期に変化し、ベッドがふかふかになって着床をできるような状況にならないと着床できません。
この過程のどこに異常があっても妊娠はできないということなのです

刀禰:ちなみに、排卵できる時間が思ったほど長くないみたいな話も耳にしたことあるのですけど大体どのぐらいなのですか?

吉村先生:排卵してからですね。卵子が生きられる時間は12時間ぐらいが平均だと言われています。
長くても1日、24時間以上生きることはないです

刀禰:長くてもないんですね

吉村先生:排卵日をめがけて性生活をもたないとなかなか受精というのは起こらないわけです。
1回の性生活で妊娠することも、もちろんありますよ。
精子の力も強くて2ないし3日間生きていてそういうこともありますけれども
排卵日近くに何回か、少なくとも3回ぐらいはもたないと、なかなか妊娠はできないんですね。

刀禰:今日が排卵日かもしれないという時に、性生活をするみたいなのを繰り返していたんですけど。結構間違える方も多いですよね。

吉村先生:そうだと思いますね。だから、1,2回すれば良いと言うような方もいるかもしれません。
けれどもこのタイミングを合わせるというのは非常に難しい。
それはなぜかというと月経の周期というのは、いつも30日前後で起こると思っている人でも微妙にずれます。排卵日も微妙にずれます。先月は14日だったけれども、今月は16日だということもいくらでもあります。12日だということだってあります。
だから僕は、排卵日近くにですね、3回は、1日おきぐらいにもってくださいと言います。
女性の身体というのを、理解する上でも、排卵がどのようにしておこるかを理解した上でお互いに努力しないと妊娠というのは成立しないということです。
奇跡的な現象を乗り越えてそして妊娠ができているんだということを皆さんに理解してほしいですね。
今後妊活される方は、タイミング法を一つとってもちゃんと理解するのが大切だと思いますね、やはりタイミングを取るということは非常に難しい。
排卵日がピタッと決まっていればそのタイミングで1回すればいいわけですけど、それを正確にキャッチするということは難しいんですね。
超音波を毎日のように病院で調べてもらうわけにもいきませんから。なかなか難しいので少なくとも排卵日近くに3回ほどもっていただくということが大事です。

刀禰:妊活を始めて1年後にようやく知った事実だったので、皆さん本当にタイミング法は、先生もおっしゃっているとおり排卵日が確定できないということも直に本当に先生に教えてもらうまで知らなかったですから。

吉村先生:病院に通う前に自分で、例えば体温表をつけられている方もお見えになる、排卵の判定薬で排卵日を推定されている方もお見えになるけれども、タイミング法をちゃんとやっていくということが大事ですね。
タイミング法を6ヶ月間ぐらい行って、やはり妊娠ができないということで
あるならば早めに病院へ行って検査をするなり、治療をするなりしてほしいですね。

刀禰:今日は吉村先生に妊娠の条件といった形で教えていただきました。
先生どうもありがとうございました

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