卵子凍結①~知っておきたい基礎知識~

動画内容書き起こし

刀禰:今日も吉村先生をお招きしまして、今流行りの卵子凍結について先生に教えていただければなというふうに思います。よろしくお願いします。

吉村先生:よろしくお願いします。
もともと卵子凍結というのはどのような技術かというと、例えばがん患者さんががんの治療をしたいということになると、放射線療法や、抗がん剤投与を受けることになります。すると卵巣の機能に多大な影響を与えて将来妊娠できなくなってしまうというようなことが起こってくる可能性があります。
それを避けるために治療を受ける前に卵子の凍結をしておくことです。
白血病の患者さんが抗がん剤治療を受け、放射線療法をしなければいけないというときに予め卵子を採取しておきます。
もしも、卵子を取る余裕がない場合は予め卵巣の組織を取っておいて、それを
凍結するという方法もあります。凍結した卵巣を体内に移植し、卵子を取り出してきて体外受精させて妊娠をさせるという方法が確立されています。
これが医学的な卵子の凍結です。
刀禰さんが今おっしゃっているのは、おそらく社会的な卵子の凍結というふうに言われているものです。今社会的というのはおかしいのではないかということでノンメディカルと言うようになってきています。非医学的な卵子の凍結と言われているものが今、刀禰さんがおっしゃったようなものなのです。
それは何のために行われるようになったかというと、キャリア女性に企業としてはもう少しお仕事をしていただきたいのに、妊娠出産をすると一時的にお仕事を中断する時期がどうしても出てきてしまいます。それが困るということから妊孕性のある若い性成熟期の時代に卵子を凍結しておいてそしてキャリアを続けていただくことを企業が考えました。
企業がそういった人に対しては卵子の凍結に関して経済的な支援をしていこうというようなことから海外ではよく行われています。我が国でも今、例えばパートナーが現在いないとか、お仕事をもう少し続けたいといったようなときに、卵子を凍結しておいて、然るべき時期が来たら自分のためにその卵子を使って妊娠しようとする女性が増えています。これがノンメディカルな卵子の凍結です。

刀禰:そういうふうに整理されるわけですね。

吉村先生:そうですね。

刀禰:医学的な卵子凍結というのは、やっぱり病気になって先生がおっしゃった白血病とか癌などが対象ですよね。
治療に影響を受けてしまうので卵子保存を行うというのが医学的で、ノンメディカル、非医学的な卵子凍結というのは今、世間で新聞などで出てるような卵子凍結という意味合いなのですね。

吉村先生:そうなのです。
がんの治療をそんなに急がない場合、例えば、乳がんですと、卵巣の組織の凍結よりも、卵子の凍結ということが一般的に行われるのですが、卵巣の凍結は白血病などで行われています。
診断から1週間後には治療開始しなくてはならない、というときなんかは卵子を取る暇がありませんので、卵巣を凍結しておきます。そして、病気が治ってから体内に卵巣を戻すのです。
一方で社会的な卵子の凍結は、将来の自分のために使います。我が国においてもキャリアを積みたいという女性も多くなっていますし、今パートナーがいないという人もいるので、卵子を凍結しておくことが、現在は非常に盛んに行われるようになってきています。

刀禰:結構盛んなのですね。

吉村先生: 10年ぐらい前から、行われるようになってきていて日本の場合は、昔はお母様が不妊治療のクリニックを訪れて
娘の将来の結婚のために卵子を残した方がいいよというようなことで実施されるケースが多かったのですけど、今は自分のキャリアを続けるために女性自ら、卵子の凍結をしておくということが多くなっています。

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