卵子凍結②~目的とメリットについて~

動画内容書き起こし

刀禰:どのような不妊治療のクリニックに行くと卵子凍結できるものでしょうか?

吉村先生:体外受精、顕微授精を行っている、生殖医療を行っているクリニックであれば、卵子の凍結はできると思います。
ただ、非常にお金がかかります。クリニックによってももちろん違いますし、今回保険適用になったからといって卵子の凍結に関しては保険適用はできませんので
自費診療ということになります。そうすると、50万~60万をかけて、卵子を凍結しておくことになるのです。

刀禰:凍結の保存料というのもかかりますよね?

吉村先生:例えば1年後とか2年後とかいうことであればいいのですが、5年後10年後だということだってあり得ますよねということになると、保存しておくお金もかかるということが非常に大きな問題ですね。
どのくらい妊娠できると思いますか?
卵子を凍結しておいて妊娠率は何%くらいでしょう?

刀禰:考えたこともないのですけれども、一応不妊治療を経験している僕からすると、高くはないだろうなということだけは、イメージが湧きます。

吉村先生:不妊治療をやられていれば、パートナーがお見えになりますから、受精卵で凍結したとしますよね?受精卵で凍結しておき、受精卵のクオリティがよければ、30%~40%の方が妊娠できますけれども、卵子の凍結ということになりますと形態学的に非常に良好な卵子であっても10%~20%の妊娠率です。
その程度しか妊娠できないということになると、例えば卵子を1個残しておいたから私一人産めるのよというのは大きな間違いだっていうことはわかりますね?
大体10個ぐらい卵子を凍結しておけば、一人ぐらいはちゃんとお子さんが産めるだろうということは予想ができますね。
10個凍結しておいたとすると1個いくらというように決まっていると思います。

刀禰:1個いくらぐらいが相場なのでしょうか?

吉村先生:相場は、わかりませんけれどもクリニックによってもちろん違うとは思います。
大体1個1年間で、1万円ぐらいというのが一般的なのではないでしょうか?
ですので、10個を1年間凍結しておけば10万円、それを5年続ければ50万円というようなお金がかかることになってしまいますね。

刀禰:それはかなり負担ですね。

吉村先生:それでも、 キャリアを積みたいという方もお見えになります。
卵子の凍結というのはお金がかかるわけで、医学的な卵子の凍結に関しては、去年の4月から卵を取ってくる手術の代金に対しては国からの支援が出るようになっています。
メディカルなものに関してはある程度支援があるけれども、ノンメディカルな、いわゆる社会的な卵子の凍結に関しては支援はないということですから、経済的な負担というものが非常に大きくなるということはおわかりいただけると思います。20個凍結しておけば、20万円ぐらい年間払わなくてはいけない。
それが毎年更新されていくのです。ただ卵子を凍結しておくことのメリットは何かというと、例えば30歳のときに採取したとしますよね?採取した卵子を使って40歳のときに妊娠しようと思っても30歳の卵ですから。これまで卵子のお話はたくさんしてきましたけれども、30歳の卵であれば、40歳の卵よりは明らかにクオリティは高いわけですから、若いうちにとっておくということが重要なことなのです。
20歳を超えて25歳~30歳前後のときに採取しておけば理想的です。
しかしながら、なかなか踏み切るまでには時間がかかるという人も多いです。一生懸命にお仕事をしていると、卵子のこと、卵子のエイジング、卵子の老化などはあまりお考えにならないですから、やはり35歳ぐらいで急いでやりたいと思われる方が多くなります。ですから35歳を超えたらできる限り早い時期に凍結しておく方がよいと思います。

刀禰:なるほどですね。卵子凍結、最近いろいろメディアでも報道されるようになっているので、よりまた、今後も正確な情報を
先生とともに、発信できればなというふうに思いますので先生、今日はどうもありがとうございました

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